ぼちぼち通信
ぼちぼち通信
少し暑くなってまいりました。
皆様お元気ですか。
今は胃腸炎、手足口病が多く、次いで目立つのが溶連菌感染症、RSウイルス感染症、先週あたりから、この地域でもマイコプラズマ感染症が診断されるようになりました。
この6月に医療においては診療報酬改定が行われ、少し制度が変わっています。小児科を受診される方には大きな変化はないです。ちょっとした変化なのですが、いろいろ書類を提出し、電子カルテも変更し、少し大変でした。
年を取ると、こういう変化についていくのが鈍くなり、2年ごとの診療報酬改定でついていけなくなり、振り落とされる日が来るのかと怖くなりました。
いや、診療ができる間はついていきますよ。頑張りましょう。
5月に来院された方に、この1年にコロナにかかったか、インフルエンザにかかったか、インフルエンザワクチンを受けているかのアンケートを取らせていただきました。
ご協力いただいた方に心より感謝申し上げます。とっても面白いデータが出ました。ありがとうございました。
1257人の方が協力してくださいました。
0~19歳、人数的に真ん中の年齢(中央値)は4歳でした。
昨年の5月、コロナが5類感染症になってから、今年の4月までに、コロナ(COVID19)に感染した人は20%、インフルエンザAに感染した人は24%、インフルエンザBに感染した人は10%でした。
インフルエンザワクチンは1~10歳では49%、11~19歳では30%の方がうっていました。
インフルエンザワクチンをうっている人と、うっていない人で、感染率を見てみますと、
インフルエンザAではワクチンうっている人で17%がかかり、うっていない人では30%がかかっていました。
インフルエンザBではうっている人で5%がかかり、うっていない人では15%がかかっていました。
やはり、インフルエンザワクチンをうっている人の方が、インフルエンザAもBもかかりにくかったです。
これらから計算すると、インフルエンザワクチンの有効率は、インフルエンザAに対しては43%、Bに対しては67%になります。
これまでインフルエンザワクチンの有効率は60%といわれていますので、インフルエンザBに対しては同程度の有効率、インフルエンザAに対しては例年より有効率が低かったです。
これはワクチン接種中にもインフルエンザAの流行があったので、インフルエンザAに対しては有効率が低くなったのだろうと考えます。
こどものB型肝炎ワクチンの有効率が99%ということと比べると、インフルエンザAに対してワクチンの有効率が43%というのは低い気がします。 申し訳ないですが、インフルエンザワクチンをうっていても、インフルエンザにかかってしまう人が、ある程度出てしまうということになります。
今、インフルエンザワクチンの接種回数を見直そうという動きもあります。
アメリカでは9歳以上は1回接種、6か月~8歳は4週以上の間隔で2回接種です。さらに、6か月~8歳も以前に2回接種しているなら1回接種となっています。
日本でも接種回数を減らしてはどうかという検討がされています。
効果が同じなら、接種回数は少ない方がいい。
さらに経鼻インフルエンザワクチン(鼻にワクチン液を垂らす)も出てきています。
コロナ検査でこどもにとって鼻は鬼門かもしれないですが、痛くないワクチンで効果が同じなら、それもいい。
インフルエンザワクチンに変化があるかもしれません。
赤ちゃんは知らないうちに苦労なく、言葉を習得しているように思っていたが、本当は並みならぬ努力(本人は意識していないと思いますが)があることを知りました。
生まれてたての赤ちゃんは、どれが名詞で、どれが動詞で、どれが助詞、形容詞などなど、全くわからない状態で音が聞こえてくる。1歳までの赤ちゃんは言葉をほとんどしゃべらないが、8か月ころには、単語を聞き分けているとのこと。
まだしゃべらない赤ちゃんに話しかけるのは全く無意味なことでなく、赤ちゃんは一生懸命に聞いており、単語を聞き分ける能力を養っているそうである。
それなら、ビデオやYou tubeを聞かしておいたら言葉は伸びるかというと、これでは伸びない。
お母さんやお父さん達が赤ちゃんを見ながら話しかけることで、赤ちゃんは単語の聞き分けを学んでいくそうである。
単語や二語文を発するようになって、それが相手に通じるように、相手の反応の中で修正されていく。
文章としてしゃべれるようになるのが3歳とすると、言葉の習得に3年かかっている。毎日毎日、日本語に接していてしゃべれるのに3年かかっている。簡単に身についているのではない。
赤ちゃんはお母さんとしゃべりたいという強いモチベーションで頑張っているのである。
赤ちゃんにスマホを見せないで、お母さんもスマホばっかり見てないで、お子さんに話しかけてほしい。
これが、言葉の習得には一番大事だと思いました。
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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