こどもの病気いろいろ
これは慢性の経過をたどるB型肝炎、C型肝炎をさしています。
60~70%の人は母子感染といってお母さんのおなかの中や生まれるときにお母さんから感染しています。
残りの方は水平感染といって、生まれてから3歳くらいまでの間にB型肝炎の方との接触で感染しています。
B型肝炎ウイルスは肝臓の細胞に感染します。
感染した時、体はB型肝炎ウイルスと共存した状態で何の症状もありません。ところがあるとき(人によりこの時期はさまざまです)、体がB型肝炎ウイルスと戦いだし、肝炎を起こし、B型肝炎ウイルスをおさえこもうとします。うまくいくと抗体ができてB型肝炎ウイルスの量が減ります。
感染症としては治ったと言いたい状態ですが、B型肝炎ウイルスは生涯、肝臓の中に住み着いています。
そして、肝細胞がんになったり、抗がん剤治療など免疫状態が低下した時にウイルスが増えてひどい肝炎を起こしたりします。
全国調査では8歳の肝細胞がんが報告されています。
肝細胞がんは早期発見すれば治療できますが、進行して見つかると手遅れになることもあります。
早くに肝細胞がんをみつけるためにも、B型肝炎のお子さんは必ず定期受診をしましょう。
また、B型肝炎はワクチン接種で予防できます。
B型肝炎ワクチンをうっていない方は、成人の方を含めすべての方に、ワクチン接種することをおすすめします。
この病気を防げるならば、1回3000~5000円×3回は安いものです。
C型肝のお母さんから生まれたお子さんの5~10%が感染します。
残念ながら、現在のところ、C型肝炎にはワクチンがなく予防法がありません。
感染しても子どものうちは何も症状がありません。40歳を過ぎると肝硬変になり、肝細胞がんになっていく人が増えます。肝臓がんの60%がC型肝炎によるものです。
成人では飲み薬による治療が行われています。これまで治療したことのない肝硬変のない成人のC型肝炎の95%が飲み薬で治るようになりました。C型肝炎はB型肝炎と違って、治療が成功すれば完全にウイルスが体から消えます。そして、2022年6月から3~11歳のお子さんで飲み薬(マビレット®)による8週間の治療が認められました。
この飲み薬による治療は副作用も非常に少ないです。お子さんを持つまでの年齢に飲み薬による治療をすることをおすすめします。
特に女の子は治療してウイルスが消えてしまえば、自分のお子さんへの感染を防ぐことができます。
3歳過ぎたら近くの専門の先生で治療を相談してください。
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