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ぼちぼち通信-No46|垂水区の小児科・アレルギー科 たかのこどもクリニック|

ぼちぼち通信

ぼちぼち通信
BochiBochi Tsushin
No.46

2024.10

 

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しばらくご無沙汰しました。
急に涼しくから、寒く感じるときもあるようになりました。患者さんも長袖になり、子どもにしては厚着でないかと思うこともあります。圧手のトレーナーを着て、ネッククーラーしている子もいて???
マイコプラズマ感染症が一番多い感染症です。いつまで続くのか・・・
鼻水・咳の多い、ぜーぜーしやすい風邪も流行っています。
咳の子が多い季節です。

-恐るべしChatGPT!-

学会の講演をオンデマンドで聞いて問題に答えることをやっていた。
5問中3問しか正解しない。5問中4問正解しないと次の講義へ進めない。ここでやめたら、また一から講演を聞かないといけない。正解しないのであるから、再度聞くべきなのであるが、そんなに聞きたい話でもなく、何度か問題にトライするがダメである。

 

今度、国家試験を受ける息子に、やってみてと問題を見せた。息子もやってみるが3問の正解。
息子は私の携帯に示された問題を自分の携帯で写真を撮り、コピペしてChatGPTに入れた。すぐに答えが出た。その答えで解答すると、全問正解となった。
ChatGPTすごしである。

 

ChatGPTはだんだん進化して、今のバージョンのものは医師国家試験にも合格してしまうそうである。
こども達の試験もChatGPTに入れたら、答えが出てしまうのだろう。
宿題もChatGPTでできてしまいそうである。
我々はChatGPTが使いこなせるか、出てきた答えがそれでおかしくないか判断できたらいいのか・・・。

 

小児科など、ChatGPTに症状を打ち込んだら、診断を下してくれるのではないか。
知識に関してChatGPTにはまったく負ける。
何をやるべきかということも、条件を入れたらChatGPTが理路整然と教えてくれそうな気がする。
私にできることは何をやりたいかということを思うことだけなのかな。

-クラリスが1錠19.2円-

今、マイコプラズマが流行していて、抗菌薬のクラリスはよく処方する。
効果あるときは、1週間続いていた熱が、クラリスを内服したら1日で下がり、よくなったと言われることもある。

 

そのクラリスが1錠19.2円だそうである。
1日2回内服して、40円、1週間内服しても、300円かからない。
クラリスが効くマイコプラズマ感染の人にしたら、救世主のような薬なのに。
何かおかしい。

 

今、薬の供給不足で困っている。
皮膚の感染症で一番に使いたいケフレックスがない、溶連菌感染症で一番に使いたいアモキシシリンがない・・・。

 

その病態、患者さんに一番いいと思う薬が出せないことがある。
頻繁に薬局さんから、現在の在庫状況を連絡いただき、それを見ながら処方している。「診療中に、○○の薬はあと5gです。」などの連絡を受けることもある。

 

供給不足になっているのは、薬価が安い薬が多い。
製薬メーカーも安い薬ではどんなに売っても儲けは少ない。経営を考えると安い薬は作らなくなる。ぎりぎりの供給量でやっているから、何かトラブルが起こるとか、少し需要が増えるとかすると、途端に供給不足となる。迷惑をこうむるのは患者さんである。

 

経済至上主義でやってきたつけを感じる。
みんなの健康を守るために、国はもっと積極的に対策を取ってほしいと思う。

-マイコプラズマ変異株-

 

以前も書いたが、マイコプラズマ感染症の流行が続いている。

当クリニックのマイコプラズマ検査陽性者数

「熱が上がり下がりして続いて、咳がひどくなりました。」と言われたら、マイコプラズマかなと思う。
発熱から始まり、始めは全く咳症状がないマイコプラズマもあって、始めの診断が難しい子もいる。
抗原検査するが、感度がよくないので、マイコプラズマであっても陰性に出ることもあり、症状から疑い、治療する子もいる。

 

そして、変異株がある。
これはクラリスロマイシン(クラリス)などのマクロライドの抗菌薬が効かないマイコプラズマの株である。変異株に感染しているとクラリスを内服しても症状がよくならない。

当クリニックのマイコプラズマの変異株

変異株の検査はクラリスを内服して3日しても熱が下がらない人に行っている。
「変異検査なし」の人は本当に変異がないかどうかはわからないが、経過が悪くなく変異の検査をしなかった人である。
変異株の割合は10%くらいで増えて行っているわけではなさそうである。

 

クラリスが効かない人には、テトラサイクリン系の抗菌薬(ドキシサイクリン、ミノサイクリン)を使うのであるが、この薬は「小児(特に8歳未満の小児)が使用した場合、歯の着色・エナメル質形成不全や骨の発育不全をおこすことがある」となっており、小さい子には使いにくい薬である。
それでも、クラリスでマイコプラズマがよくならない人には使わせてもらっている。
変異株が増えないことを願う。

 

著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子

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