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ぼちぼち通信-No28|垂水区の小児科・アレルギー科 たかのこどもクリニック|

ぼちぼち通信

ぼちぼち通信
BochiBochi Tsushin
No.28
2022.10
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朝夕、冷えるようになりました。風邪などひいておられないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症は少なくなってきましたが、手足口病、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症、何らかのウイルスの胃腸炎など、いろいろな感染症があり、発熱のお子さんが多いです。体調をくずされませぬように。

-「ゲートウェイ、ゲートウェイ」-

2歳1か月の男の子が診察室の椅子に座るなり、「ゲートウェイ、ゲートウェイ」と一所懸命言ってくれた。申し訳ない、私は何を言われているのか、想像すらできなかった。
お母さんが「今度、関西ゲートウェイへ行くことになっているけれど、鼻水出てきたから受診しました。この子、クロネコヤマトが大好きで。」と教えてくれた。
関西ゲートウェイは茨木にあるクロネコヤマトの物流センターとのこと。クロネコヤマトが大好きなら、たくさんのクロネコのトラックを見るのはどんなに楽しいであろう。
2歳にして、受診の目的がわかっている。すごい、2歳はかしこい。

 

息子が2歳のころ、静岡に住んでいた。静岡駅が見えるデパートの食堂で電車を見ていた。
静岡駅にはこだまは止まるが、ひかりは止まるものと止まらないものがあり、のぞみは止まらない。息子は、ビューンと通過する新幹線を見て、「ひかり」「のぞみ」というのである。
私には静岡駅に停まる100系のこだましかわからない。ひかりとのぞみはとがった形の700系で、どっちも一緒に見える。夫が車体の横のラインが違うと教えてくれた。
大人はそんなことわからなくても、利用するときは車体の表示を見たらよく、知らなくてもよくなっている。でも、文字を知らない子どもは形、特徴で覚えるのであろう。その能力はすごいと思った。

 

そういう息子を見ていて、息子に“お勉強”は教えないでおこうと思った。きっと文字を教えたり、計算を教えたりしたらよくできるようになるだろう。でも、そんなことは学校に行ってからでいいと思った。それより、自分で楽しいことを見つけて、やりたいことをやるのがいいのではないかと思っていた。

 

こどもは大人のような道具やしがらみがないから、大人の持っていない能力を持っている。こどもは天才、不思議だと思う。
小さいうちは大人の作ったお勉強より、大人にはない不思議な、こどもの能力を伸ばしてやれたらいいのではないかと思う。

 

子宮頸がん9価ワクチン
(シルガード)が
来年度に定期接種になります

これはうれしいことである。

子宮頸がんはヒトパピローマウイルスに感染することで発症すると言われている。
このウイルスに感染しなければ、子宮頸がんにもならない。子宮頚がんは、若いうち、20~30歳代の妊娠可能年齢でも発症することが悲しいがんである。

 

年齢階級別罹患率【子宮頚部2019年】

https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html

 

子宮頸がんにならないためには、ヒトパピローマウイルスに感染しなければいい。それなら、ヒトパピローマウイルス感染をワクチンで予防しようという作戦である。
ヒトパピローマウイルスにはいっぱいの型がある。そのいくつの型を抑えられるかで3種類のワクチンがある。
サーバリックスは2つの型(16,18型)、ガーダシルは4つの型(16,18,6,11型)、そしてシルガードは9つの型(16,18,6,11,31,33,45,52,58型)である。
日本人で子宮頸がんを起こすヒトパピローマウイルスの型は16型、18型が多いけれども、52型、58型もその次に多い。

日本人の女性の子宮頸がんでのHPV遺伝子型分布

 

https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000992367.pdf

 

ガーダシル4価では60~70%しか抑えられないが、シルガード9価では80~90%抑えられる。誰が考えても、どうせ痛い思いをするなら、シルガードの方がよい。
今まではサーバリックスとガーダシルが定期接種であった。それが、来年度からシルガードが定期接種に使えるようになる。
これはとってもうれしい。

 

でも、でも、それならシルガードが市販されたときに定期接種になってほしかった。一歩譲って、子宮頸がんワクチンが積極的接種勧奨になったときに、シルガードも定期接種になってほしかった。
まじめに早くにガーダシルをうったお子さん、意識高く自費でシルガードをうったお子さんが損をすることになってしまった。
他のワクチンなら、早く打ってその間予防できたからいいじゃないとも思うが、ヒトパピローマウイルスは性感染症である。全くそういう機会がない子どもにとって、早く打ったことは何も得にならない。
まじめな人が損をするのが許せない。

 

著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子

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