ぼちぼち通信
ぼちぼち通信
寒くなりました。朝、車に乗ると3℃です。
今年も終わり。皆さんにとって、今年はどのような年でしたでしょうか。
小児科は春から夏にRSウイルス感染症が流行し、そのあとに手足口病、そして今は胃腸炎が流行しています。新型コロナウイルス感染症はオミクロン株がどうなるでしょうか。
予防接種ではワクチンの供給不足で皆さんに大変ご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。
今年もお世話になりました。よいお年をお迎えください。
12月6日の週になって、「インフルエンザワクチンに余裕あります」と卸さんが言いに来られた。2回接種する子どもには12月中に2回接種するのがぎりぎりの日程である。
なんで今ごろに?納入を予定していたクリニックさんからキャンセルがあるとのこと。接種希望の方から多くの問い合わせをいただき、予約はいっぱいですとお断りしたのに・・・。もっと、うまく分配できないものか。
まだ入荷されると聞いて、お声かけしたら、140人ほどのお子さんが接種を希望され、予定を延長して接種を行った。
気になったのは、3歳未満のお子さんの接種が12月になっても多かったことである。
3歳未満のお子さんの接種が遅れがちなのは、一人目のお子さんで、インフルエンザワクチンを早くから予約しないといけないという情報がなかった方。たくさんお子さんがおられ忙しさに紛れ、気が付いたら12月になっていたという方などなど。
私は以前、インフルエンザワクチン接種はどっちでもいいかなと思っていた。予防効果は60~70%であるし、インフルエンザの薬も出てきたし・・・。
しかし、インフルエンザ脳症のお子さんに何人か出会って、脳症にならないためにはワクチンで予防するしかないと強く思うようになった。発熱、けいれんで入院となり、入院時に迅速検査でインフルエンザとわかって、すぐに抗インフルエンザ薬を投与し、けいれんの後の様子から脳症を疑い、脳症の治療を速やかに開始しても、12時間後には息が止まるのである。インフルエンザ脳症は進みだしたらどうしようもなく、できる治療をして祈るしかない。
5歳以下のお子さんにインフルエンザ脳症は多いから、特に小さいお子さんはワクチン接種をしてほしいと思う。
今回、新型コロナウイルス感染症の流行がワクチン接種でくい止められたと私は感じた。これと同じように、インフルエンザも毎年ワクチンを接種し予防しておけば、体にインフルエンザに対する基礎免疫ができ、新型インフルエンザのようなものが流行しても、重症化せずにすむのでないかと、なんとなく思う。
今年、たとえインフルエンザが流行しなくても、みんなであせって接種したインフルエンザワクチンは無駄ではないと思う。
おたふくワクチンの供給は11月ころから回復しているそうである。200%の供給と聞く。
しかし、7~8か月間、供給が非常に少ない状態が続いた。その間に接種したかった人をカバーするには、供給がストップしていた月分のものがプラスαで出てこないと、不足は続く。現に、卸さんから出荷規制がかかり、全く希望どおりは接種できない状況である。
申し訳ない。
日本脳炎ワクチンに至っては、いまだに業者さんからの連絡はなく、2022年には回復すると患者さんに言い続けてきたが、これが守れない状況である。業者さんは状況をきちんと説明して、今後の見通しを教えてほしい。
接種を希望されている方、申し訳ありません。我々にも見通しが立ちません。まだお待ち願います。
これは今年のグッドニュースである。子宮頸がんワクチンは2013年4月に定期接種となったが、ワクチンの副作用が問題となり、接種率が非常に低下した。
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/67758.html
子宮頸がんワクチンの副作用はゼロではないが、それは他のワクチンと変わらないと結論され、それ以上に子宮頸がん発症の予防効果が高いことが証明された。
そしてさらに、1997年から2005年生まれの方は、2022年4月から3年間、キャッチアップ接種として、接種年齢は過ぎたが、公費で接種してもらえるとのこと。これはよかった。接種対象の方はできる限り早くに接種してほしい。
しかし、一つ気になるのは、1997年から2005年の生まれの方で、自費で接種している真面目な方がおられるが、この方たちへの救済の話がないことである。まじめな方が損をするというのはおかしい。何とかならないものか。
新型コロナとワクチン供給に翻弄された1年であった。ワクチン供給にトラブルがないことを切に願う。
2022年はB型肝炎ワクチン接種キャンペーンを行いたいと思う。
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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