ぼちぼち通信
ぼちぼち通信
RSウイルス感染症が抗原検査により一般診療でも診断できるようになったのは20年くらい前からだろうか。
昔の流行のイメージは、インフルエンザの前に流行するのがRSウイルス感染症だった。それが数年前から8月ころから12月にかけて流行する年が出てくるようになった。
しかし、これまで春から初夏に流行することはなかったと思う。それが今年は現在流行している。
当クリニックでも5月になってRSウイルス感染症が増えている。
昨年はRSウイルス感染症の流行が全くなかったから、その影響もあるのだろう。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/10/2096-weeklygraph/1661-21rsv.html
RSウイルス感染症は2歳までに95%が感染すると言われているが、昨年は全く流行がなかったから、今の1~3歳児では感染していない子が多いだろう。
RSウイルス感染症は1歳以上のお子さんが感染すると、咳・鼻水から始まり、発熱し、熱は朝下がって夜に高熱になるということを4~5日繰り返し、咳は段々にひどくなる。
熱が下がってからも咳がひどく、喘息様になる子もいる。中には気管支炎や肺炎で入院になることもある。
1歳未満のお子さんのRSウイルス感染症は、熱は1日くらいしか出ないことも多いが、咳・鼻水がひどい。
小さな鼻から鼻水が吹き上げるように出て、溺れんばかり。咳込みがひどく哺乳できなくなって入院することもある。
そして、乳児のRSウイルス感染症はまさしく、成人の重症化する新型コロナウイルス感染症のように急に悪くなるという感じがある。
ちょっとしんどいから念のため入院していただいたのが、夜には気管内挿管が必要となることもあった。
診断は鼻咽腔拭い液で抗原検査をしたらできるが、外来では1歳未満のお子さんしか検査が保険適応にならない。
1歳以上のお子さんで検査しても我々はその費用を保険診療からいただけない。保育所でRSウイルス感染症が流行していると、保育所の先生から「RSの検査してもらってください」と言われるそうであるが、我々としてはやや複雑である。
でも、当クリニックでRSウイルス抗原検査陽性数をみてみると、1歳未満の子は少なく。1歳~3歳の子で陽性者が多い。
疑われたら、検査をやりたくなってしまう。RSウイルス感染症は保育所に行っている子に多く、集団生活で感染しているのを感じる。
高熱が出て、咳もひどくて、0歳~3歳児は要注意の感染症です。
ご来院いただいた皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで、少し仕事ができてきました。
新型コロナウイルス感染症の第2波とともに始まり、患者さんが少なく、暇なのがつらかった。
とんでもないことを始めてしまった、病院で若い小児科医と臨床と研究とを楽しんでいたらよかったと後悔しました。
お金のこと、スタッフのこと、病院勤務では考えたこともないことを考え、悩みました。
でも、結局は患者さんに求められることをしていく、病院勤務と変わりないと思いました。患者さんの求めに応えられず、厳しい口コミもいただきましたが、それらを糧にしてまた1年頑張っていこうと思います。
来院ただいている患者さんはご評価ください。
「先生、あの薬ではよくならへん」「○○先生行って、これ処方してもらったらよくなった」、時には「あの薬がよかった」というのもあると嬉しいですが、診療をフィードバックしていただけると大変助かります。
また、こんなことをしてほしいという声もいただけると嬉しいです。ホームページの問い合わせから送っていただけると私に届きます。
また1年、クリニックとしての成長をめざしてがんばります。よろしくお願いします。
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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