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ぼちぼち通信-No9|垂水区の小児科・アレルギー科 たかのこどもクリニック|

ぼちぼち通信

ぼちぼち通信
BochiBochi Tsushin
No.09
2021.02
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緊急事態宣言の中、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
国会議員が銀座のクラブで夜遅くまで会食していて叩かれていましたが、庶民も羽を伸ばしたい気持ちは同じ。それを抑えながらの生活、ちょっとストレスたまってきていませんでしょうか。緊急事態宣言の後、新型コロナ感染症のゆくえはどうなるのでしょうか。
立春は過ぎ、昼の日差しは少し暖かさを感じますが、コロナは・・・。

-インフルエンザの流行がありません!!-

小児科医になってインフルエンザが全く流行しない冬はなかった。新型コロナウイルス感染症は小児の感染症の流行を全く変えました。
国立感染症研究所のIDWR速報データ https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html の定点当たりの報告数をグラフにすると、

国立感染症研究所のIDWR速報データ「インフルエンザ」グラフ
国立感染症研究所のIDWR速報データ「手足口病」グラフ
国立感染症研究所のIDWR速報データ「RSウイルス感染症」グラフ
国立感染症研究所のIDWR速報データ「突発性発疹症」グラフ

青の線が2019年、オレンジ色の線が昨年(2020年)です。これ、みごとです。
冬になってもインフルエンザの数は増えません。夏に流行する手足口病も昨年は全くなく、夏から冬にかけて流行するRSウイルス感染症も全くなく、これら感染症はどこへ行ってしまったのでしょうか?

 

一つのウイルスが流行すると他のウイルスは流行しにくいということは言われています。しかし、日本の子どもでそこまで新型コロナウイルス感染症が流行しているわけではありません。
突発性発疹症の数だけはあまり変わりがありません。突発性発疹症は主にHHV-6というウイルスの感染症で、一度感染したことのある人が風邪をひいたり、疲れたりすると唾液にウイルスが出てきます。
全く外出していないような赤ちゃんが突発性発疹症にかかるのはご家族、おそらくお母さんの唾液から感染するのだと思います。
突発性発疹症の報告数は変わらないことから、受診しぶりはそんなにないように思います。
昨年から今年、小児科の患者さんは少ないですが、それは感染症が少ないからではないかと思います。

 

インフルエンザの流行がないのはマスクと手洗い、stay homeのおかげがあるかもしれません。でも、そもそも“タネ”がない気がします。マスクせずに大騒ぎした人でインフルエンザが流行したという事例を聞きません。
昨夏、南半球の冬でもインフルエンザは全く流行しませんでした。インフルエンザウイルスも渡り鳥のように、季節によって地球上を人から人へ渡っているのかもしれません。そうであっても、インフルエンザはどこへ・・・。どこに潜んでいるのでしょう?

 

RSウイルス感染症は2歳までに95%が感染すると言われる感染症ですが、赤ちゃんはそんなにマスクもしていないのに全く流行しないのが不思議です。
昨年、RSウイルスに感染しなかった子はいつ感染するのでしょう?
もうこれでこの感染症がなくなってしまうのか、それとも2歳以上になって感染して感染症の様相がかわっていくのでしょうか。
2020年から2021年のいつもの感染症が全く流行しない状況が、今後の感染症の動向にどう影響するのか、非常に気になります。

子どもが減るのはさみしいよ

2020年の出生数は84.7万人となる見込みだそうです。さらに日本総研のデータによると、妊娠届け出数から推測すると2021年は80万人を切り、78.4万人と予測されています。
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/12253.pdf

年間出生数のグラフ

 

戦後すぐ、75年前は年間260万人生まれていました。おばあちゃんの世代1960年ころは160万人、お母さんの世代1990年ころは120万人、2016年に年間100万人を切り、2019年には90万を切り、2021年には80万人を切る見込みとのこと。
最近の落ち込みがひどいです。
ずっと右肩下がり、さみしいですね。
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003214664

 

政治的には将来の労働力が減る、年金を支えてくれる若者が減る、日本の経済成長は難しくなると心配されますが、贅沢しない小さい経済になったらいいと素人は思います。でも、子どもの少ない社会は活力がないですよ。
子どものいいところは損得考えずに行動するところ、やりたいからやるよという姿は微笑ましい。
そして、何度も繰り返し挑戦する子どもを見ているとファイトがわいてきます。息子が立ち始めのころ、一人で立ち上がり、すぐ尻もちをついてこけるが、また繰り返す。何度も何度もやっている姿を見て、子どもは知らないうちにいろいろなことができるようになっていくように思うが、実は何度も繰り返し学習をしていることを教えられました。子どもに生き生きとした活力を感じます。
願わくば、若い人たち、たくさん子どもを産んでくださいよと言いたい。しかし、これは非常にデリケートな問題で、女性の社会進出を妨げる女性差別につながったり、子どもができない人を傷つけたりすることにもなるかもしれない。

 

子どもを産むことが特別でないような社会になってほしい。子孫を残すのは生物として普通のこと。
子どもを産んで仕事もしたい人は仕事ができる仕組み、子育てに労力とお金がかかるのは間違いなく、それを社会が援助してくれるような仕組みがもっと強固になるといいのかな。
いや、金をばらまくだけではダメかも。子どもを持つことは普通のことで素敵なことということを、小さい時から教育するが必要か。
いや、子ども自身が子ども時代を楽しいと思うことが一番大切かもしれない。
自分の子ども時代が苦しかったのに子どもを持とうとは思わないだろう。
今の子どもたちの生きやすい、楽しい世の中にしないといけないか・・・。子どもたち、いろいろ大変なようにも見えるが・・・。

 

私は子育ても仕事も行き当たりばったりでやってきたが、無駄な経験はなかった。
なんで自分は子ども持ったのだろう?生物的に授かったから。何も深く考えなかったのがよかったかもしれない。でも、子どもにいろいろ教えられ、今にすべてが生きている気がします。
可能な方は子どもを持たれて、肩の力を抜いて子育てやってみられたら。きっとおもろいよ。

 

著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子

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