ぼちぼち通信
ぼちぼち通信
お元気ですか。寒くなりましたね。
神戸でもポプラ並木、いちょう並木が色づいて、落葉が始まっています。
落ち葉が気になります。掃除されているところとされていないところあり、落ち葉の処理は市民の善意で行われているのかしら・・・。
ご苦労様です。ありがとうございます。
4年前、トランプさんが大統領になったのが不思議だった。当時の選挙運動で品のない発言がみられたし、人種差別的な発言が気になった。それでも、大統領になり、自国の利益を最優先とする“アメリカ第一主義”をあげ、自国さえよければいいという政策を貫いたように思う。
車通勤のラジオニュースで聞いた情報だけであるが、記憶に残っているのは、パリ協定(地球温暖化防止のためのCO2削減などの世界的取り決め)から離脱。環太平洋パートナーシップ協定(TPP:環太平洋の国々で貿易を自由化しようという取り決め)も途中アメリカが入ってきて進んだが、突如離脱。
コロナ対応で中国の肩をもったとWHOからも離脱を表明。等々、アメリカはいろいろな協定や機構の中で中心的な役割を占めながら、みんなに(少なくとも私には)理解できないままに突然「や~めた」と言い出す。そういう人が国のリーダーであることが不思議だった。
自国でも人種差別的な発言が聞かれた。アメリカは移民の集まりのような国であると思うが、移民に対して「国へ帰れ」発言があった。国民皆保険を盛り込んだ“オバマケア”は就任後すぐにぶち切られた。
そして、今回のコロナ対応。経済を優先してコロナ対応していくという政治的な考え方はわからないでもない。しかし、自国でコロナ感染者が増え、死者も増えていったのに方針は変わらなかった。
ご自身がコロナにかかった時も陰性確認される前に外出したり、コロナ罹患後もマスクしなかったり。今年のホワイトハウスに子どもたちを招いてのハロウィーンパーティでも、参加した子供たちは皆マスクをしていたが、トランプ夫婦はマスクをしてなかったと報道されていた。とことんやってくれるトランプさんに笑いさえ出た。
このような人をアメリカの方も十分、危険人物であるとわかっただろうと思ったが、今回の大統領選挙も接戦であった。
国民性の違いなのか、私には理解できない。バイデンさんになってアメリカがどう変わるかわからないが、まだ当分は世界で力を持つであろう。みんな仲良く戦争は止めて、国家間・人種間・個人間の貧富の差が少なくなるように動いてほしいと思う。
COVID-19(コビット19)は第3波が来たのではないかと報道されている。三宮の夜の街にも人が増え、客引きの店の人も出ており、少しにぎやかさを取り戻しているように見える。酔っ払ってマスクもせず大声で話しながら歩いているおじさん達も見かけた。
Go toトラベル、Go toイートで感染機会は増えたであろう。
秋のいくつかの学会でこどものコロナCOVID-19についての講演があった。やはり、こどものCOVID-19の頻度は少ない。
厚生労働省の感染報告(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14719.html)と人口から10万人当たりにするとこの数になる(図1)。
こどもの感染症としては少ない。こどもは新型コロナウイルスに感染しにくいと言われている。
感染者数としては20代が多い。20代になるとウイルスが感染しやすくなり、活動の範囲が広いことや群がって遊びやすいため、感染者が増えるのか。一方、死亡率は高齢者に多い(図2)。日本のこどもの重症者、死亡者は報告されていない。
こどものCOVID-19の症状は、我々の経験した18例では、約40%が無症状、40%が発熱、20%前後で咳や鼻水の症状があり、下痢する子も10%いる。発熱は2日くらいの37-38度の発熱の子が多い。
海外の大規模データーの報告でも症状の頻度は同じようである。症状から普通の風邪との区別は難しいと言われている。
小児科学会の調査では、こどものCOVID-19は77%が家族内に感染者がいる場合で、家族内感染が多い。
他に幼稚園・保育所関係者に感染者がいる場合8%、学校関係者5%、塾関係者1%であった。感染源の不明の子どもは少ない。
こどものCOVID-19は症状が軽く、“かくれコロナ”(無症状で検査していないから診断されていない感染者)がいるのではないかと心配されるが、私はこどものかくれコロナは少ないのではないかと思う。
前任の病院で小児の入院患者さん全員600名余りに症状に関係なくコロナの検査をしているが、陽性者は一人も出ていないと聞く。
この600名は6~7割が何らかの感染症の症状があり、他は検査入院など感染症状のない子たちである。
MIS-C(ミスシー:小児多臓器炎症症候群)という、COVID-19感染がよくなったころ(感染から2週間くらいして)、川崎病に似たかなり重症の病態を引き起こすことが海外で報告されている。
発症年齢の平均は9歳と割と大きい子である。高熱が続き(発熱100%)、下痢(74%)、発疹(56%)、目の充血(52%)があり、心臓の合併症が45%に認められ、集中治療が必要な、かなりしんどい状態である。死亡率1.7%と報告されている。
日本での報告はないが、日本でもこどもの感染者が増えるとMIS-Cが出てくるのか、人種的な違いがあるのか、まだわかっていないことが多い。
以上、書いていたら、小児科学会から『小児のコロナウイルス感染症2019(COVID-19)に関する医学的知見の現状』(2020年11月11日)が発表されたことを知りました。(http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=342)。
これを読んでいただくといい。日本の小児感染症の専門の先生が小児のCOVID-19をまとめてくださっています。
我々にできることは、マスク、手洗いをし、カラオケと人の多い外食をさけることだと思います。これを守って学校閉鎖はしないでほしい。いつもポケットにマスク!
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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