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ぼちぼち通信-No51|垂水区の小児科・アレルギー科 たかのこどもクリニック|

ぼちぼち通信

ぼちぼち通信
BochiBochi Tsushin
No.51

2025.4

 

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気持ちのよい季節になりました。暑くもなく寒くもなく、日差しが気持ちよいです。

4月、クリニックはこれまでになく暇でした。病気がないというのはいいことですが・・・。

-学童のお子さんで百日咳が出ています-

百日咳は全数届出疾患で、診断した医師は1週間以内に届けなければならないことになっています。

神戸市では第16週(2025年4月14日~20日)に60例の届出がありました。
インフルエンザなどの流行に比べたら全く少ないですが、神戸市の過去10年間の百日咳の報告数と比べたらとっても多いです。

 

ウイルス性胃腸炎をおこすウイルスにはいろいろあって、ウイルスが分かっているものに、ロタ、アデノ、ノロ、アストロウイルス、サポウイルスなどあり、便で検査できるのは始めの3つです。
胃腸炎の子が保育所からノロの検査をしてきなさいと言われますが、ノロウイルスだけに目くじらを立てなくてもいいのにと思います。
どのウイルスでも対応は同じです。大切なのはお子さんのしんどさです。

神戸市の過去10年間の百日咳の報告

神戸市感染症統合情報システム https://kobecity-kmss.jp/nesid/allcount/?tab=2

当クリニックでも2024年12月から2025年4月末までに35例の百日咳陽性のお子さんがいました。

2024年12月から2025年4月末までに35例の百日咳陽性

1例1歳ですが、他は7-15歳で、9-12歳が多いです。
咳がひどい、夜間目覚めるくらいの咳込みがあると言われます。鼻水は始まりの時に少し出る方もいますが、咳がひどくなると鼻水症状は少ないです。発熱もないです。
抗生剤内服で治療しても、すっきりは効かず、咳がしつこく続くことが多いです。

 

神戸市で詳しい検査をしてもらうと、今のところ結果が出たのは24例ですが、そのうち16例(67%)が、一般によく使われるマクロライドの抗生剤(クラリスなど)が効かない耐性菌です。

 

百日咳は今なら5種混合、以前は4種混合、3種混合のワクチンの中に入っています。
当クリニックの百日咳にかかられた方は皆さん、百日咳のワクチンはうっておられますが、かかっています。
ワクチンの効果が5-10年すると落ちてくると言われています。

 

問題となるのが、ワクチンをうっていない1歳未満のお子さんが百日咳にかかったときです。
息ができないくらいの咳込みで、無呼吸発作を起こし、死亡することもあります。
東京で1か月の百日咳の方がなくなっています。
東京都の小児病院におけるマクロライド耐性百日咳菌感染症例の検出|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイ
この方は百日咳ワクチンの接種前でした。ご兄弟が未接種で、ご兄弟がかかられて感染したそうです。

 

2か月になったら、5種混合を早急に受けましょう。
7歳5か月までは無料で受けられますので、もしまだ4回うっていない方がおられましたら、早急にうちましょう。
お家に1歳未満の赤ちゃんのおられるご家庭の小中学生の方は、任意接種(自費)になりますが3種混合ワクチンを受けて、家に百日咳を持ち込まないようにしましょう。

-幼児でアレルギー性結膜炎が増えている?-

この4月、目がかゆいと言って受診される方が多いように感じました。
目の周り(眼瞼)が赤く、白目(結膜)が充血している、目をかいている子をよく見かけました。黄色い目ヤニが多ければ、風邪などによる鼻詰まりからの目ヤニによる結膜炎が多いですが、目ヤニがあまりないとアレルギー性結膜炎が疑われます。


アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3版)で見ると、
アレルギー性結膜炎は0~4歳は3-5%、5~9歳はスギ・ヒノキで24%、ダニで10%くらいです。

季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー結膜炎のグラフ

https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?itemid=429&dispmid=909

当クリニックの抗アレルギー点眼薬(アレジオン)の点眼・クリームを処方した患者数が、昨年の4月に比べ2倍以上多く、小さい子の処方が増えています。

抗アレルギー点眼薬の処方人数のグラフ

これだけで、小さい子のアレルギー性結膜炎が増えているとは結論付けられませんが、可能性はあるように感じます。

 

そして、ステロイドの点眼も、あまりにも炎症が強く、かゆそうな症例には出していました。

抗アレルギー点眼薬の処方人数

 

昨年は10歳以上の子へのステロイド点眼の処方が多かったですが、今年は9歳以下に多いです。

ステロイドの点眼は眼圧を上げて緑内障を起こすことが多いので、使用はひどい時に短期的にしないといけません。
眼圧の評価できない小児科医がステロイドの点眼を処方したら、眼科の先生に叱られるかもしれません。
すぐ眼科に行けないなら、何とか乗り切ってもらおうと出すことが多かったです。

 

小児でアレルギー結膜炎が増えていくのかもしれません。
今後の経過をみていきましょう。
目がかゆい時は、抗アレルギーの点眼を早めに使って、目をかかないようにしましょう。
ひどいときは眼科を受診ください。

 

著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子

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