ぼちぼち通信
ぼちぼち通信
2025.1
あけましておめでとうございます。
年が明けると何がめでたいのだろうと、子どもの時は思っていました。年が明けても、昨日から続いく今日なのにと。
今、年を取ってみて、この1年、無事に健康で暮らせた、仕事ができたことに感謝です。 その昔、子どもの死亡率は高かった。現在の乳児死亡率は500人に1人くらいであるが、戦前(85年前)は10人に1人だった。身近に子どもの死があった。1年無事大きくなってくれてありがとう、おめでたい、という気持ちはもっと強かったであろうと思う。
生きていておめでとうである。
12月中頃からインフルエンザの流行が始まりました。予約が取りにくくなり、申し訳ありません。
神戸こども初期急病センターも非常に混雑し、12月22日(日)の待ち時間は2~6時間と聞きました。6時間というのは尋常でない。
12月はほとんどインフルエンザAで、H1N1という2009年に流行した新型インフルエンザの株でした。2009年に流行したときは、喘息や肺炎など呼吸器症状が強かったですが、今年のは咳が残る人もいますが,入院になるほどの例は今のところ少ない。それより、嘔吐・下痢症状で点滴する子が何人かいました。
インフルエンザワクチンがどれくらい効果があるのか。
2024年12月、当院でインフルエンザ検査をした患者さんにワクチン接種をお聞きしました。インフルエンザ検査は熱のある患者さんで、症状もしくは周囲の流行状況からインフルエンザの可能性のあるお子さんにしました。
539名に検査させていただき(痛くてごめんなさい)、344人が陽性でした。
インフルエンザワクチンの接種歴が聞けたのは464人でした。そのうちワクチンを受けていた子は、154人(33%)でした。
昨年5月の当クリニック受診患者さんへのアンケート調査では、インフルエンザワクチンを受けていた人が43%だったので(https://takano-kids.jp/column/12.pdf)、それより少ない。これは今年、受けている子が少ないのか、熱を出す子ではワクチンを受けている子が少ないのかわからない。
インフルエンザになっている人は、インフルエンザワクチンをうっていない人が多いという印象を持ち、調べてみました。
発熱者を対象にインフルエンザワクチンの有効性を見る方法は、インフルエンザだった人でどれくらいワクチンをうっており、インフルエンザでなかった人でどれくらいワクチンをうっているかからみる方法があります。
これで見ると、インフルエンザワクチンのインフルエンザAに対する有効率は43%ということになります。
これは昨年のアンケートでのインフルエンザワクチンの有効率と同じくらいです。
(https://takano-kids.jp/column/12.pdf)
残念ですが、これくらいの予防効果しかありません。
ワクチンうっている人の方が、インフルエンザにかかってもしんどそうでないという印象を持ち調べてみました。
全く主観的ですが、元気(いつも通り、自らしゃべる)、しずか(動くが発語がなく、いつもの元気がないかな)、ややしんどい(熱っぽい顔でじっと座っている)、しんどい(ベッドに横になっている、親にもたれかかっている)に分けてみました。
ややしんどい、しんどいはこの季節、様子だけでインフルエンザが疑われる感じです。
12月の途中から調査し、インフルエンザ陽性の151人でみてみました。
元気+しずか | ややしんどい+しんどい | |
ワクチン接種者 | 30 | 23 |
ワクチン非接種者 | 39 | 59 |
フィッシャーの直接確率検定 p=0.06
[元気+しずか]対[ややしんどい+しんどい]で比較すると、ワクチンをうっている人の方がしんどさ具合が軽い人が多い傾向でしたが、有意差なし。
残念、インフルエンザワクチンにしんどさ予防という効果はないのか・・・
インフルエンザワクチンうっている子がインフルエンザにかかると、申し訳ない気持ちになる。
しかし、残念ながら、インフルエンザワクチンの予防効果は43%くらいである。
今シーズン、検討を続けて行きます。
相談外来は水曜日の午後、土曜日の午後に私に用事がなければ、行っている外来である。 基本、就学までのお子さんの発達の相談を受けている。実際には児童発達支援に行く受給者証申請のための、医師意見書を書いていることが多い。
1時間に1人の患者さんを、診察室と待合をオープンにして、親御さんから話を聞き、お子さんには自由に遊んでもらって様子をみせてもらっている
時々、外来で会っている子もいるが、いつもの短い外来ではその子の発達の様子が全くわかっていなかったことに気が付くこともある。
初めての方もパッと見には親御さんの言われる訴えがわからず、1時間お子さんの様子を見て、親御さんの困っておられることが分かることも多い。
言葉が遅い、幼稚園で集団生活ができない、切り替えができない、かんしゃくを起こすなどなど。
3~5歳、今、それを学ぶときなんだけど・・・。
少し特徴的ではあるが、どの子もいいとこもっている。いいところを伸ばして、社会適応ができるようにしていったらいいと思う。
普通(何が普通かわからないが)に近づくことを求めすぎない方がいい。
私はそれを伸ばす方法はフラッシュカードなどの机上のお勉強ではないと思う。
生活の中での経験と繰り返しではないかと思う 。
4つのことを提案している。
#外で体を使って思いっきり、遊ばせたらどうだろう。
楽しいという気持ちから、言葉が出てくると思う。兄弟や友達がいて、つるんで遊べたら最高である。危険には注意しないといけないが、大人は口出しせず、子どもなりに遊ばせたらいいと思う。
#おうちのお手伝いをしてもらったらどうであろう。
子どもがやりたがることをしてもらう。
結構、料理をしたがったりする。
肉と野菜を混ぜて、餃子の皮に包んでもらうとか。ケーキのデコレーション・・・。
場所は汚れるし、生肉をなめてしまったり、大変なのではあるが。時間に余裕があれば、ぜひともやってみられたら。
#子どもの見たい本を一緒に見るのはどうだろう。
年齢相応でなくてもいい。子どもの見たい本を一緒に見て、子どもが求めれば読んであげでみられたら。読み聞かせようなんて構えなくていいと思う。
#いいね!サインを出すのがいい。
危険なこと、人にひどく迷惑をかけることは注意しないといけないが、そうでなければダメダメ言うより、本人なりにうまくいったら、「いいね!」「すごい!」と喜んであげるのがいい。お手伝いしてくれたら、「ありがとう」「助かったよ」と感謝するのがいい。
こういうことを、療育としてできないか。
今年はそれに取り組んでいこうと思う。
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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