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ぼちぼち通信-No27|垂水区の小児科・アレルギー科 たかのこどもクリニック|

ぼちぼち通信

ぼちぼち通信
BochiBochi Tsushin
No.27
2022.09
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昼の日差しはまだ強いですが、空にはうろこ雲やすじ雲が見えます。秋ですね。
新型コロナの第7波も山を越えつつあるようです。
今度は台風ですね。「想定外の被害」ってどんなんだろうと思いながら、皆様に被害が出ないことを祈っています。

-新型コロナウイルス感染症発生届の見直し議論-

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の発生届が9月26日から65歳以上の方、入院を要する方、重症化リスクがあり新型コロナウイルス感染症治療薬の投与などが必要な方、妊婦さんだけになる。あとは数のみを登録するようにとのこと。
子どもに重症例は少なく、重症化リスクを持っている子も少ないので、ほぼ、数のみの報告でよくなる。

 

発生届を出すことが医療機関や保健所の業務ひっ迫になっているから、簡略化して見直すとのことであったが、そもそも何のために発生届を出しているかということが議論されていないことが気になった。業務ひっ迫だから変えるのでなく、業務ひっ迫でも必要なことはしないといけない。

 

我々が発生届を出すと、保健所は全患者さんを把握していてくれた。
7月末までは新型コロナの患者さん全員に保健所の方が電話をしてくださっていた。患者さんにとっても保健所からの連絡はいろいろ聞きたいことが聞けて助かったであろうし、頼れるところがあるという安心感になったであろう。
8月からは感染者数が多くなり、保健所からの全員連絡はできなくなった。検査陽性の方には医療機関でパンフレットを渡し、困ったら保健所へ連絡してくださいと伝えていた。
今後は陽性者が相談できる健康フォローアップセンターというものができるそうである。

 

陽性でも無症状の方、解熱して24時間以上たった方は隔離期間内でも買い物に外出してもいいということになった。
それまでは、陽性の方は隔離期間は外に出てはいけなかった。その代わり、保健所から日用品、食料品の支給があった。
外に出てもよくなったが、生活物資の配給はしないということになった。

 

新型コロナの流行から2年以上たって、感染症の様子もわかってきたのではないか。
新型コロナの感染力は強いのであろうが、重症化率はそう高くない感染症である。
2類感染症から、インフルエンザと同じ5類感染症にしてもいいのではないかと思う。
2類感染症の一つの鳥インフルエンザは、人が感染すると致死率53%と報告されている。
それと同じ扱いというのはどうか。インフルエンザと同等の扱いで、どうしていけないのかと思う。

 

インフルエンザと同等の扱いにして一番変わることは医療費でないかと思う。
今、新型コロナは診断までは検査を除いて保険診療であるが、検査代、陽性の場合の治療費は公費負担である。
抗原検査なら、検査代は安くなった。特殊治療はまだ高いものもあり、検討が必要かもしれないが。
我々もコロナの患者さんを診療すると、それなりの加算があり、診療の危険手当がついている感じである。しかし、そこまで危険な感染症ではない。

 

それと変わってほしいのは、新型コロナの社会的扱いである。今は、お子さんが熱を出すと、お父さんも会社を休まないといけないという対応になっているところが多い。それで、お子さんが熱を出すたびに検査してほしいと受診される。
臨床的に違うから検査は必要ないと我々が言っても、検査で陰性を確認しないと会社に行けないとのこと。お父さんの健康状態で判断すべきであると思う。

 

新型コロナに関しては、小手先を変えるのではく、感染症としての扱いを変えたらいいのでないか。
2類から5類感染症への議論がもっとされるべきではないかと思う。

 

南方熊楠記念館へ行ってきた

夏は和歌山へ行った。海は青く、空は青く、美しいところだった。

和歌山の海の風景写真白浜に南方熊楠記念館というのがあった。南方熊楠は生物学者くらいしか知らなかったが、とっても優秀な方であった。特に粘菌という分野を専門にされていて、新たな菌種を見つけたのであるが、そうやって新しいものを見つけ出せた背景には、彼の非常に膨大な知識量があった。

 

彼は子どものころから図書館などに通って、図鑑などを書き写していた。書くと頭に入るとのことであった。そのノートは決してメモ書きのようなものでなく、びっしり細かい字できれいに書かれていた。おそらく筆で墨で。
今の東京大学に入学するのであるが、面白くないからと辞めてしまい、アメリカにわたる。
今のように飛行機ではなく、船で20日かけての渡米である。それから14年間、アメリカ、その後イギリスで過ごす。
海外でも図書館に通い筆写し、生物などの標本採取をし、知識を得るということをしていた。そのノートは本のように厚いのが47冊もあり、細かい字で、英語も書かれており、それまたすごいのである。
そして、日本に戻り、粘菌などの研究をし、生態学者、民俗学者といわれるようになる。
とにかく、天才なのである。

 

この人が現代にいたら、きっと“変わった子”扱いをされてしまうかもしれない。
人との交わりも少なく、図書館で書き写しするのが日課で、みんなが知らないような生物のことを一人熱心に話すとなると、世間からは浮いてしまうかもしれない。
発達障害、アスペルガーなどと言われてしまうのかもと、思った。
今の日本のいい子を求める教育は、天才を活かせていないかもしれないとも思う。

 

最近、本人は楽しく社会生活していて、親もおかしいと感じてないけれども、幼稚園の先生から、この子は少し気になるから小児科で発達を見てもらうようにと言われて受診されるケースに出会う。
そういう子は少しユニークかもしれないが、本人が困ってなくて、社会にも迷惑かけていないなら、個性として見てあげてほしいなと思うことがある。
みんな同じようないい子でなくてもいいのに。
南方熊楠のような方がつぶされない、活かせる社会であってほしいと思う。

 

著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子

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