ぼちぼち通信
ぼちぼち通信
お元気ですか?
春になっていました。桜が咲いています。うちの敷地内の桜は咲いていないので、まだなのかと思っていたら、裏の健康公園の桜は満開でした。
昼は新型コロナ、夜はウクライナ情報であっという間に3月が終わりました。
新学期が始まります。新しい学年、新たな出発、がんばりましょう。
みんな、戦争はよくないと思っているのに、誰にも止められない。
爆撃の映像、焼け野原となった街の様子、肉親を失い泣き悲しむ人々の映像などなど、毎日のように報道され、心が痛む。
これらは戦争のほんの一部でしかなく、もっと悲惨なことは映像すら取られていないのだろうと悲しくなる。
こんなことして誰が幸せになるのだろう。
各国は戦争はよくないと言いながら、ウクライナに戦闘機や武器を送り、結局は戦争を促すことになってしまっている。
戦うのはウクライナの人たちである。戦う場所もウクライナの人たちの生活の場である。
ロシアに経済制裁しても苦しむのは一般のロシア市民。プーチンさんは何も困らないのでは・・・。
だれか、プーチンさんに戦争を止めさせてください。
「プーチンさん、戦争をやめてください。」地球の隅で私は叫ぶ。バタフライ効果を期待して。
入院の60~70%は感染症というところで長く働いてきた。感染症はいろいろ見てきたつもりであったが、新型コロナ感染症は私にいろいろなことを教えてくれた。
感染症は子どもの病気と思っていたが、それは大人は過去に感染して免疫があるからで、全世代に免疫がないと全世代が感染し、老人が重症化することがわかった。感染症は若いうちにかかった方が軽く済むと聞いてきたが、それを実感した。
新型コロナ感染のこどもの重症例は少ない。
こどもの新型コロナ感染症はサイレントな感染症と感じている。発熱、のどの痛み、咳、嘔吐などを訴えられるが、診察しても、呼吸音はきれいであるし、のどの赤さもない。おなかも動いている。身体所見があまりないのである。発熱の子がマスク外して、ミズバナたれていたりすると、これはコロナでないなと思う。
どんな子を検査するのがいいのだろうと、第6波が始まった1月ころは模索した。
発熱の子、近くに感染者がいる人を検査した。
1月中に新型コロナ検査をした16歳未満は167人いて、陽性者は58人(陽性率33%)であった。
お子さんに発熱があって家庭に陽性者がいる場合は100%陽性だった。発熱があって学校に陽性者がいる場合は52%が陽性だった。逆に発熱がなくて陽性になる子は7%と少なかった。
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こういう経験から、発熱があり、近くに感染者がいる人を検査の対象としてやってきた。
2月中は80~90%が陽性であったが、最近は陽性率が50%くらいになり、新型コロナ以外の発熱者が増えてきているのを感じる。
検査法も初めはPCRのみでやっていたが、2月末から抗原検査キットが手に入るようになり使うようになった。
PCR検査では感染していれば、発熱の12時間くらい前から陽性に出る。発熱の24時間前ではPCR検査でも陽性に出ないことがある。オミクロン株は発熱の前日から感染させやすいようである。
抗原検査は発熱前では陽性にならない。発熱6時間後くらいから陽性が出ている。そして発熱から12時間以上たっていたら、抗原検査で陽性が出ないものはPCRでも出ないと考えている。そして、発熱から5日くらいたっていても抗原検査は陽性に出ることがある。早くて安くて、抗原キットはなかなかの優れものであると思う。
しかし、最近、私の経験が崩れる出来事があった。2月にPCRで確実に陽性になった人が3月にも新型コロナを疑う症状で受診され、PCR陽性だったのである。以前感染したウイルスが残っているのか、再度感染したのか。ウイルス量を確認すると十分に多い。これは再度感染したようである。基礎疾患のない12歳の子が同じものに1か月で再感染してしまう???
と思っていたら、BA2という新たな株の流行の兆しありとのニュースを聞いて納得した。
再度感染する人が3人続き、オミクロン株でできた免疫はBA2感染には効かず、再感染するのかもしれない。
そして、再感染の人は症状が軽い、発熱のない人もいるようである。再感染した人の一人は全く熱もなく、咳・鼻水症状はあるがそれは慢性的な症状で、家族に陽性者が出たので検査した。しっかりウイルス量はあり間違いなく感染と考えられたが、発症日が特定できないのである。今後、こういう発熱のない感染の人が増え、再度感染が広がるかもしれないと感じる。
新型コロナウイルスはRNAウイルスであるがゆえに我々を翻弄する。
遺伝情報にはDNAとRNAがあるが、RNAは複製するとき間違いを修復できないのである。間違えたら間違えたものを作り、その間違いで自分がウイルスとして生き残れないものは死んでいく。その代わり、どんどん新しいものを作り、人間が排除できない生き残れるウイルスは生き残っていく。その変化に人間が追いついていけていないようである。
いろいろなことを教えてくれた新型コロナ。これからどうなるのか。
もう一波ありそうな気がする。新型コロナに負けず、重症化しないところで共存しましょう。
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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