ぼちぼち通信
2020年6月、学校の運動場に子どもたちの元気な声が戻ってきました。朝、がやがや言いながら登校する子どもたちの声が聞こえます。子どもたちがマスクをしているのが以前と違いますが、少し日常が戻ってきたことをうれしく思います。
新型コロナウイルス感染症の流行、皆さん大変でした。感染してしんどい思いをされた方もおられるでしょう。
大切な方をなくされた方もおられるかもしれません。そうでなくても、自由に動けない、やりたいことが制限される、自由に人と会うことができないなどのしんどさを、どの人も感じられたのではないでしょうか。
我々にとっての全くの日常でありましたが。本当によく頑張りました。
小児医療においても、変化が起こっています。新型コロナウイルス感染症流行中の小児科クリニックの受診者は2~4割になったと聞きます。病院の小児科の入院患者さんも例年の20~30%になりました。これは、子どもたちが集団生活をしないから、感染症の流行が少ないということが一番大きいかもしれません。
例年なら、保育所への入所にともない、次々と感染症をもらい、入院するお子さんが多かった。それが今年は少なかった。病院の夜間救急患者さんもいつもの10分の1以下になりました。これは新型コロナが怖いから受診を控えられたこともあるように感じました。そして、親御さんたちはこの程度の症状なら、病院へ行かなくてもいいやと学習されたのではないかと思います。それはそれでいいことかと思います。
我々、小児科医は新型コロナウイルス感染症流行後の小児医療を考えなければなりません。子どもが健やかに成長、発達するために何ができるか。
一つは、予防できる感染症は予防していきたい。予防接種は受けやすいようにサポートしたいです。
二つは子どもの事故を防ぎたい。本当に危険なものは取り除かないといけないですが、世の中からナイフをなくすことはできない。危険なことに対応できる力を子どもに養っていかないといけない。それには見守りの中のトレーニングでしょうか。根気のいることです。
三つは子どもを大人の犠牲者にしてはいけない。虐待や危険なネットサイトなどから子どもを守りたい。
四つは食べることを大切にしたい。授乳、離乳食、一人食べという食の発達はとっても大切です。簡単に食べるものが手に入る世の中になりましたが、食べることは成長と発達の源です。食べることを通して子どもに伝えられることはたくさんあるはず。食べることを見直したい。
感染症は少しはかからないと仕方がない。でも重症にならないように、適切な対応で乗り切ってもらえるようにお手伝いしたい。
こう考えると、小児科医にもやれそうなことがあるように思えてきました。2020年7月から神戸市垂水区で小児科クリニックを開業します。医療を通して、子育てサポートができるように、肩の力を抜いて静かに頑張ります。よろしくお願いいたします。
著者 たかのこどもクリニック 院長 高野智子
アレルギー
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